胃潰瘍に効く医薬品成分

胃潰瘍の治療薬と言っても多種多様ですが、こちらでは胃の防御作用を強める治療薬をいくつか紹介したいと思います。

胃の防御作用を強めるための治療薬に関しては、胃酸の分泌を抑制する治療薬(例. ヒスタミンH2受容体拮抗薬プロトンポンプ阻害薬)と比べると、治療効果はやや劣ります。したがって、通常単独で使用されることはありません。

胃の防御作用を強める治療薬については、前述のヒスタミンH2受容体拮抗薬プロトンポンプ阻害薬と併用するのが一般的です。

それでは、ここからはプロスタグランジン製剤との組み合わせに着目したいと思います。プロスタグランジンには胃の粘膜を保護したり、粘膜の分泌を促したりする働きがありますが、このプロスタグランジン製剤とはこのプロスタグランジンの増加を助ける治療薬のことを言います。

特に、NSAID(非ステロイド性抗炎症薬)を原因とする胃潰瘍治療に適しています。尚、プロスタグランジン製剤の使用に際して、注意しなければならない点がいくつかあります。

まず、腹痛や下痢等の副作用を引き起こしてしまう恐れがあります。また、子宮の収縮を促してしまうため、妊娠中の女性による使用は一切認められていません。

さらに、胃粘膜の働きの強化や粘液の分泌、あるいは胃粘膜内の血流の増加に対して有効な防御因子増強薬もあります。いずれにせよ、胃潰瘍患者の強い味方となっていることには変わりありません。